「松江市議会会議録検索システム」より抜粋
令和6年第4回6月定例会 6月17日
◆16番(岩本雅之) 皆さんおはようございます。志翔の会の岩本でございます。会派を代表して質問させていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
人口減少社会の中で、やっぱり持続可能な地域づくり、まちづくりを考えていくというのは、本当に大変なことではないかと思います。それぞれの地域によって様々な課題があろうかと思いますけれども、その中において、私は公共交通の再編とまちづくりについてということで、その事柄に絞って代表質問させていただきたいと思います。
公共交通の再編は、市民が地域エリア内の移動目的である生活資源、例えばその地域にあります商店であったり、飲食店であったり、病院であったり、理美容店であったり、それを再発見するとともに、それぞれの地域エリアをつなぐ中心的な公共交通の結節点を明確にした上で、利便性を高めていくことがとても重要であると思っております。その上で何点か質問させていただきます。
1つ目、地域エリア内の公共交通を再編する上で、住民の利便性を高めていくために必要だと思われるポイントは一体何か、それをお伺いしたいと思います。
続いて2つ目、それぞれの地域エリアをつなぐ中心的な交通の結節点について、公共交通の再編を考える上でのポイントは一体何であるのか、これをお伺いしたいと思います。
それぞれの地域エリア、あると思うんですけれども、その中において地域エリア同士をつなぐに当たって、とても重要だと思っているのは、その地域の中心的な場所は一体どこなのか、そういうことをしっかり考えた上で、公共交通の結節点というものを考えていかないと、そこに対してまた様々な多様なモビリティーをどういう形でつないでいくかということになっていくと思いますので、これについてはもう既にいろいろとマスタープラン等で考えていると思いますけれども、この公共交通の再編を考える上でのポイントは何であるか、これをお伺いしたいと思います。
続いて3点目でございます。3点目は、出雲、それから雲南、安来、それから境港、この隣の市と隣接する地域エリアがあると思いますけれども、生活していく中において、その地域エリアというのは、一緒に生活しているエリアであると思うんですね。それが行政区分の中で様々な課題等が見えてきているんではないかと思います。現状の課題と今後の取組についてどのようにお考えをしているのかお伺いしたいと思います。
4つ目でございます。公共交通の再編が今後の松江市のまちづくり、それから地域づくりの施策とどのような関連があって、今後どのような形で整合性を合わせながら進めていかれるのかお伺いしたいと思います。
公共交通の再編を考えるに当たって、様々な視点が必要であります。松江市が進める様々な施策あると思うんですけれど、それをどのような形で横串で部局間においての連携を図っていかれているのか、またそれを今後どのような形で官民連携という、さらに先に進んだ形、これを進化させていくのか、それを考えていく上でとても重要だと思いますので、こちらについてもお伺いをしたいと思っております。
続きまして、こちらの公共交通の再編をする、その中において、公共交通だけではなくて、様々な地域の方々にとってとても楽しみであったり、いろいろなことにまたつなげていくということにも考えていってもいいんじゃないかと思います。
市民のまちあるきとか、それから観光客の利用につながる公共交通の在り方、これについてもお伺いしたいと思います。
◎市長(上定昭仁) 皆さんおはようございます。岩本雅之議員の代表質問にお答えをいたします。
まず初めに、公共交通の再編とまちづくりに関する御質問をいただきました。
住民の利便性を高めるために必要なポイントについての御質問をいただいております。
中心市街地と周辺部(旧町村部)の市街地や集落などの既存コミュニティーを交通ネットワークでつなぐコンパクト・プラス・ネットワークという考え方の構築を目指しておりますが、その上でまずはそれぞれの地域内において、商業施設や病院などの生活サービス機能の維持・確保を図ることが重要と考えております。
地域内の生活サービス機能が立地するまちづくりの核となる場所を交通結節点としまして、そこに地域住民の皆様が日常的に移動できるような交通手段を確保することがポイントになるものと考えております。
交通手段の確保に当たりましては、地元の交通事業者と連携してコミュニティバスやタクシーなどの既存の交通機関をできる限り効率的に活用するとともに、人材不足への対応策となるAIデマンドバスや環境対策に資するグリーンスローモビリティなど、新たなモビリティーの導入についても、併せて検討を進めてまいりたいと考えております。
次に、交通の結節点について、公共交通の再編を考える上でのポイントを御質問いただきました。
地域間をつなぎます交通結節点を設けるに当たりましては、交通の利便性の視点のみならず、まちづくりやにぎわいづくりといった観点から設定することがポイントとなるものと考えております。
その場所自体が目的地となり得る拠点性の高い場所を結節点として設定するとともに、その場においては、待合スペースの確保に合わせまして、屋根やベンチや、あるいはWi-Fi環境を整備するなど、ハード面の充実も図ってまいりたいと考えております。
一例を挙げますと、川津のバス停は、美保関町や島根町方面からの路線バスが北循環線と接続しております。交通利便性が高いことに加えまして、その周辺地域には、御案内のとおり、島根大学やたくさんの商業施設も立地しておりますことから、地域間をつなぐ交通結節点になり得るものと考えております。
また、次の御質問といたしまして、隣の市、隣接するエリアに関しての課題と今後の取組についても御質問をいただきました。
まず、出雲市につきましては、宍道湖の北側では一畑電車、また南側ではJRが本市との間をつないでおります。また、雲南市大東と接する忌部地区では、今年9月末に一畑バスの大東線が廃止されることになっておりますが、10月以降も雲南市、松江市の両市でコミュニティバスを共同運行して往来を確保するということにしております。
また、安来市につきましても、安来市が運行するコミュニティバス、イエローバスといいますが、このバスが竹矢まで乗り入れておりまして、松江市営バスとの接続を図っております。
また、境港市と隣接する八束町では、昨年4月から県境をまたぐAIデマンドバスを運行しておりまして、八束町の皆様が境港の商業施設や病院に行く際に御利用いただいていると承っているところでございます。
現在、松江市と隣接する市との間では、このように市域をまたぐ公共交通によりまして移動手段が確保されておりますが、引き続き岩本議員御指摘のとおり、行政区域にとらわれずに、住民の皆様の生活圏を捉えて通学・通勤、通院、買物などのニーズを満たす上で必要となる移動手段を隣接市、あるいは交通事業者の皆様とともに考え、確保してまいりたいと考えております。
私、この4月から中海・宍道湖・大山圏域市長会の会長も務めておりまして、またそういった島根、鳥取、あるいは山陰という全体の連携の下で一つの市ではなかなかできないことも、連携したらできるといった事例を重ねていきたいと思っておりますし、また広域連携に当たって、行政だけではなくて、経済界をはじめたくさんの皆さんに関心を持っていただきながら進めていきたいと考えているところでございます。
次に、公共交通の再編とまちづくりや地域づくりの施策との関連、あるいは整合の取り方といった御質問をいただきました。
本市としましては、通学・通勤、通院、買物などの市民の皆様の利便性が確保され、また暮らしやすく、出かけたくなるまちづくりを進めていきたいと考えているところでございます。
先般立ち上げました公共交通で暮らしやすい未来を実現するプロジェクトチームにおきましても、公共交通の在り方をそれだけで、単体で考えるのではなく、いわゆるお出かけ需要のようなものを創出して、魅力的なまちづくりを図っていくことが重要といったコメントをアドバイザーの方からもいただいているところでございます。
現在、本市で取り組んでおります職人商店街の形成でしたり、水辺の利活用、またまちなかでのアートイベントなど、松江の伝統・文化、また自然環境を生かしたまちづくりを進めることにより、市民の皆様にとっても、このお出かけ需要を増進しまして、公共交通のニーズに応えるといったサイクルにつなげていきたいと考えております。
また、今回の公共交通の再編につきましては、土地利用制度の見直しや交通結節点となります松江駅前のデザインの検討、またグリーンスローモビリティなど交通車両の電動化といった脱炭素やSDGsの取組にも関連するほか、先ほど申し上げたお出かけ需要を喚起するための観光施策でありましたり、当然これ公共交通、通院や通学の手段ともなりますので、そうしますと、医療や教育サービスといった観点でも関係してまいります。そういった影響が広範にわたることを意識しまして検討を進めていく必要があるものと考えております。
先ほど岩本議員に言っていただきましたように、部局間連携はもちろんのことなんですが、官民も連携して、その中で解決策を、最適なものを探ってまいりたいと考えております。
今後、公共交通で暮らしやすい未来を実現するプロジェクトチームにおいて審議を重ねるとともに、庁内に設置しております公共交通の在り方プロジェクト会議において、プロジェクトチームの検討状況を共有しまして、関連する施策との整合を図ってまいります。
次に、市民のまちあるきや観光客の利用につながる公共交通について御質問をいただきました。
今回、公共交通の再編を検討するに当たりましては、まず市民の皆様、とりわけ自家用車の利用が難しい高齢の方でありましたり、学生の皆さんが便利に利用できる交通手段の確保と改善を図ってまいりたいと考えております。
利用者にとって分かりやすいバス路線の編成や、ゾーン料金制、このゾーンだと同じ料金といった制度の導入なども検討することで、市民の皆さんだけではなく、観光客の皆さんの交通利便性も向上を図ることができるものと考えております。
また、路線バスにつきましては、市民、観光客、双方にとってメリットのあります交通系ICカードを令和3年5月末に導入しております。なかなか利用率が上がっておりませんでしたが、ここに来まして、今年5月には80%を超えてきております。定着してきていることがうかがえるところでございます。また、さらにWi-Fi環境の整備や、JR西日本が提供しております観光アプリ、これはtabiwa by WESTERというアプリがございます。こういったものの活用でありましたり、インバウンド観光客を意識したバス停やバス内の外国語の表記でありましたり、また番号による案内があれば、数字は分かりますので、皆さんを目的地まで御案内することもできると考えておりまして、そういった点の工夫、これはデジタル技術の活用などもしながら、公共交通の使い勝手の改善を図ってまいりたいと考えております。
さらに、まちあるきにつながる公共交通としましては、岩本議員にも御協力をいただいておりますグリーンスローモビリティについて、美保関町で現在検証を続けております。また、市内の中心部では、小型の電動三輪モビリティーのトゥクトゥクを今試行しているところでございまして、運行事業者の皆様とともに、本格導入に向けた検討を行ってまいりたいと考えているところでございます。
令和6年9月1日発行 まつえ市議会だより第60号(4月臨時会・6月定例会)
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