社会福祉法人の経営状況に関する質疑応答(平成28年第3回 9月定例会-09月14日)

松江市議会会議録検索-議事録発行センター」より抜粋。

平成28年第3回 9月定例会-09月14日

◆1番(岩本雅之) 皆様、おはようございます。真政クラブの岩本雅之でございます。
 私は、地域福祉のまちづくりを念頭に置きながら、あらゆる課題を福祉の視点で考えて、松江市のために少しでもお役に立てるような質問をさせていただきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
 早速、質問に入らせていただきます。
 社会福祉法人の事業は、国の歩みや時代背景とともにサービスが開発され、実践されてきました。そして今、地域福祉を推進する上で公益法人としての役割が大きくなっていることは、皆様御承知のとおりです。そして、来年の4月には社会福祉法の改正、これに伴いまして、全ての社会福祉法人が公益的な取り組みを責務としてしなければならないということで、これは、社会福祉法人がどのような経営状態であっても、その地域の中で福祉を推進する上において地域の核となって地域貢献を進めなさいという意味にもとられると思っております。
 そこで、伺いたいと思います。
 松江市内における高齢者福祉事業に関する直近の経営状況がおわかりになれば伺いたいと思います。

◎健康福祉部長(井田克己) 社会福祉法人から松江市に提出されました平成27年度の決算書によりますと、主に高齢者福祉事業に携わっておられる法人の経営状況を確認しますと、中長期的な視点ではおおむね安定的な経営がなされていると判断をしております。ただし、一般の会社で経常利益に相当いたします経常増減差額、これにつきましては約3割の法人がマイナスとなっております。以上です。

◆1番(岩本雅之) 続きまして、高齢者福祉事業において、福祉のサービス事業は大きく2つに分かれます。施設サービスと在宅サービスでございます。どういうぐあいに分かれるかにつきましては皆様知っていらっしゃると思いますが、その利用者の方がどこでお住まいになっているか、そのお住まいの場所からどのような福祉事業サービスを受けることができるかが基本の考え方になりますが、この施設サービスと在宅サービスの経営を比較いたしまして、どのような相違点があるのでしょうか。よろしくお願いします。

◎健康福祉部長(井田克己) 平成27年度の介護報酬改定では、施設分がマイナス0.85%、在宅分がマイナスの1.42%の改定となりましたが、施設サービスと居宅サービスの経営状況につきましては、分析しましたところ顕著な差は認められませんでした。以上です。

◆1番(岩本雅之) そういたしますと、今お話がございました。介護保険法の改正によってマイナス査定であったけれども、顕著な差は認められないということでございました。実際、実態として社会福祉法人の高齢者福祉事業、こちらのほう確認をさせていただきますと、特に在宅サービスをしていらっしゃるところが非常に厳しい。または、一法人一事業でやっていらっしゃる方は非常に経営が苦しいという声をいただいております。そのことをお伝えしておきたいと思います。
 続きまして、次に移りますが、松江市内における保育園の事業、これに関する直近の経営の状況を伺いたいと思います。

◎健康福祉部長(井田克己) 主に保育事業に携わっておられます法人の経営状況を確認しますと、同じく中長期的な視点では、おおむね安定的な経営がなされているものと判断をしております。また、同じく一般の会社で経常利益に相当します経常増減差額についても、全ての法人がプラスとなっている状況でございます。以上です。

◆1番(岩本雅之) この保育園の事柄について。待機児童の問題ということで、昨日来、御質問あったと思うんですけれど、松江市を29地域というぐあいに、公民館、生活圏域単位で考えたときに、その場所によっては保育園自体が、児童の数が受け入れが少ない、要はそこになかなか児童の方が行かないという現状があるように聞いておりますが、そういったところでも経営状況は安定していらっしゃるんでしょうかね。

◎健康福祉部長(井田克己) 調査しましたところ、全ての法人についてプラスでございます。定員割れをしている、おおむねのところは定員以上の入所児童数でございますが、定員割れをしているところは一部ございますが、これは公営でやっている施設が主でございますので、民間の事業者におかれましては大概定員を満たした運営となってございます。以上です。

◆1番(岩本雅之) そういたしますと、続いての質問に移らせていただきます。
 松江市における、次は障がい者福祉事業、これに関する直近の経営状況を伺いたいと思います。

◎健康福祉部長(井田克己) 主に障がい者福祉事業に携わっておられます法人の経営状況を確認いたしますと、同じく中長期的な視点では、おおむね安定的な経営がなされていると判断をしております。ただし、先ほど来あります経常増減差額については、約4割の法人が当該年度マイナスとなっているところでございます。以上です。

◆1番(岩本雅之) そういたしますと、今のお話にありましたけれども、経営上の収支差額について4割マイナスというのは、どのように解釈すればよろしいんでしょうか。

◎健康福祉部長(井田克己) 4割のマイナス法人でございますが、理由の一つには報酬改定による減額、また、主な事業が就労系の事業の場合に、単体でやられますとマイナスになっているケースが見受けられました。以上です。

◆1番(岩本雅之) わかりました。ありがとうございます。
 この障がい者福祉事業、こちらにおきまして同じく施設サービスと在宅サービスの経営を比較いたしまして、どのような相違点があるとお考えでしょうか。

◎健康福祉部長(井田克己) 平成27年度の障がい福祉サービス等報酬改定では、おおむね施設系のサービス報酬単位は増、訪問系、就労系サービスの報酬単位は減とされております。施設サービス、在宅サービスという区分では判断しづらいところがありますが、主に施設系サービスを行っている事業所では経常増減差額はプラスになっておりまして、それに対しまして就労系を中心としたサービスを行っている事業所はマイナスの傾向にございます。以上です。

◆1番(岩本雅之) そういたしますと、今の御回答いただいたことに対しまして、就労系の事業についてはマイナスというお答えをいただきましたけれども、その原因は何だと思われますか。

◎健康福祉部長(井田克己) 詳しくは分析しておりませんが、就労事業単体でやっていらっしゃる事業所についてはマイナスの傾向があります。飲食業が主な事業のため、景気、お客さんの動向等々によるものもあろうと思っております。以上です。

◆1番(岩本雅之) そういたしますと、私は、社会福祉事業のサービス、これを大きく3つに分けて、高齢者福祉事業サービス、それから児童福祉サービス、それから障がい者福祉サービスと、この3つに大別されると思うんですけれど、今現状においての経営状況がどうなのかということでお話をさせていただいたところでございます。
 今後、特に、次の質問に移っていくところでございますけれども、平成28年4月から障がい者の差別解消法、それから障がい者の雇用促進、この法律が改正され、それぞれの地域で、それぞれの場所で、この事柄についてしっかりと進めていかなければならないと思っております。


平成28年12月1日発行  まつえ市議会だより第29号(9月定例会)
20161205situmon