バリアフリー観光の推進に関する質疑応答(平成28年第1回 2月定例会-03月02日)

松江市議会会議録検索-議事録発行センター」より抜粋。

平成28年第1回 2月定例会-03月02日

◆1番(岩本雅之) ありがとうございました。
 それでは、続いての質問に入らせていただきたいと思います。
 バリアフリー観光の推進についてでございます。
 背景ということで、ちょっと皆さん知っていることだと思いますが、お話をさせていただきます。
 島根県の松江市は、国際文化観光都市です。山陰の中核を担う町です。近年、出雲大社の遷宮や松江城の国宝化に伴い、国内外の観光客が増加する傾向があるのは皆さん御承知のとおりです。観光のピーク時には、ホテル、旅館の宿泊定員数を上回ることがあり、課題の一つに上げられていると思います。
 また、2016年4月に施行される障害者差別解消法は、障がいを理由とする差別の解消を推進するために、国の行政機関と地方公共団体等、また民間業者に対して必要な措置を規定するものであり、全ての国民が障がいの有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現を目指すと聞いております。
 そんな中におきまして、ことしに入り、1月、玉湯におきまして山陰バリアフリー観光推進リレーシンポジウムが開催されたということでございまして、皆さん御承知のとおりでございます。
 それでは、1点目の質問に入ります。
 国際文化観光都市として、バリアフリー観光の推進が求められますが、松江市の見解をお伺いいたします。

◎市長(松浦正敬) 松江市は、平成20年でございましたけれども、ひとにやさしいまちづくり条例をつくりました。その記念のシンポジウムといいますか講演に、伊勢志摩のバリアフリーツアーセンターの、その当時所長だったか、ちょっと忘れましたが、中村元さんといって、何か同じような名前の方ですけれども、その方をお呼びして、バリアフリーツアーの可能性のような話をお伺いしたところです。
 そのとき私、非常に印象に残っていますのは、今、全国の障がい者、たくさんいるわけですけれども、やっぱり機会があればぜひいろいろ観光をしてみたいという方がたくさんいらっしゃると。しかし、やはりなかなか、バリアフリーの問題もあってなかなか出にくいと。したがって、例えば、ここはちゃんとバリアフリーで整備をされていますよという情報が発信されれば、そこへ障がい者の皆さん方も安心して行けると。つまり、障がい者の皆さん方がたくさんその場所を訪れることになるというお話をお聞きしまして、これは大変いい話だと思って、それでプロジェクトゆうあいのほうといろいろ話をして、松江市にバリアフリーツアーセンターを設けていただきました。
 したがって、仕事は、そうした情報発信と、それからまた各旅館とかそういったところのいろいろな相談、バリアフリーの相談であるとか、あるいは接遇といいますか接待の仕方とか、そういうものをお教えするという役割を果たしていただくということでございます。今でもやっていただいているわけですが、今はここが山陰地域まで幅を広げてやっておられるということでございまして、私もそういう考え方の中で、これから松江の観光推進、観光振興をやっていく上において、このバリアフリーツアーの今後の成長を感じておりますので、ぜひこれからも力を入れてやっていきたいと思っておりますが、このNPOのプロジェクトゆうあいとも協調しながらやってまいりたいと思っております。

◆1番(岩本雅之) 丁寧な御説明ありがとうございます。そういたしますと、しっかりとこのバリアフリー観光を進めていくということになりますと、それにあわせてそれぞれ官民一体となっていろいろなことを考えていく必要があると思います。
 それで、次の質問に入りますけれども、そういうことにあわせて、さまざまな可能性があるバリアフリー観光でございますが、東京パラリンピックが開催される、それに当たってインバウンドの強化、そういったものも求められてくると思います。バリアフリーの対応型の宿泊施設、これの整備状況について聞きたいと思います。
 これは一言だけ私の経験をちょっとお話しさせていただきますと、私は大学が福祉大学の出身で、4年間ずっとボランティア活動していたんですけれど、筋ジストロフィーの方と一緒に、いろいろな国内各所について一緒にボランティアで、旅行がしたいということで、一緒に行かせていただいた経験があるんですけれど、本当に実際に宿泊場所を探すのにすごく苦労した経験がございます。ましてや二、三人ならまだしも、10人以上、20人以上で団体で行くなんてことはなかなか難しいんですね。
 そういうことを考えた上で、このバリアフリー対応型宿泊施設の整備、これについては今現在どうなのかなということをお伺いしたいと思います。

◎観光事業部長(錦織裕司) 市内の宿泊施設におきまして、バリアフリーへの対応が徐々に進んできております。現在、バリアフリールームがあるのが8施設でございます。車椅子対応トイレがあるのが16施設となっております。
 また、松江バリアフリーツアーセンターは、今年度、観光庁の事業に選定をされまして、英語のホームページが開設されるなど、外国人対応も徐々にではございますが受け入れ環境も整ってまいっております。
 東京パラリンピックを見据えて、インバウンドの新たな需要にもつながりますので、当センターと連携をいたしまして、受け入れ施設の職員の介助研修をするなどソフト面の充実にも努めまして、一層のバリアフリー観光の推進に取り組んでいきたいと考えております。以上でございます。

◆1番(岩本雅之) 今こういう状況においてお話しすることかどうかわかりませんが、私自身そうあってほしいと願っていることが1つあります。先般、松江市の嫁島にあるホテルが2016年度末閉館するというお話がありました。松江市としても、その跡地については、すばらしい場所だから有効に活用していきたいなという話があったと聞いております。ここを何か違う方法で再活用できないか。
 こちらのホテルは、居室としてバリアフリーということで少し改築をした経験も持っていらっしゃいますし、またそちらを利用されたことがある方でわかると思うんですけれど、結構バリアフリー対応型のホテルになっていると思っております。そういうことも少し考えてみたらどうかなと思っております。


平成28年6月1日発行  まつえ市議会だより第27号(2月定例会)
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