認知症見守りネットワークに関する質疑応答(平成25年第4回 9月定例会-09月11日-2)

 
松江市議会会議録検索 – 議事録発行センター」より抜粋。

平成25年第4回 9月定例会-09月11日
 
◆1番(岩本雅之) そういたしますと、地域に密着したところに社会福祉法人ってたくさんあるんですよ。ぜひそういうところとやっぱりできるだけ連携を密にとっていただけるような、イメージ図の中に入るような形でまた研究、それからいろいろと連絡調整をしていただければと思います。よろしくお願いいたします。
 続きまして、認知症の見守りネットワーク、これについては総合計画のほうでもしっかりと進めていっていらっしゃると思っておりますけれども、私はこれの強化に対する提案をさせていただきたいと思っております。
 日本の65歳以上の高齢者のうち、認知症の人は推計15%、2012年時点で約462万人に上ります。これが厚生労働省の調査でわかっております。そして、認知症になる可能性がある軽度認知障がい、いわゆるMCIと言うんですけれども、この高齢者も約400万人いると推計されています。実に65歳以上の4人に1人が認知症とその予備軍という計算になるわけでございますが、松江市内の状況がもしわかればお伺いをさせていただきたいと思います。

◎健康福祉部長(田中豊) ことし6月に発表されました厚生労働省の認知症有病率等調査と同様な調査のデータは本市にはございません。
 平成25年3月末時点で松江市の65歳以上の認知症の人数を推計いたしますと、要介護認定者のうち認知症の人数が6,723人でございまして、毎年行っている高齢者基本チェックリストの回答結果から、要支援を含めますが、要介護認定を受けていない約4万3,000人のうち、推計される326人、合わせますと合計7,049人となりまして、高齢者人口の少なくとも13.3%の方が認知症と推計されるところでございます。
 また、軽度認知障がいでございますが、これにつきましては推計調査もございませんし、データもございませんが、厚生労働省の調査で明らかになった有病率推定値13%をもとに試算をいたしますと、約7,000人と推計をされるところでございます。以上でございます。

◆1番(岩本雅之) ありがとうございます。13.3%という非常に多い人数の方が認知症、それからその予備軍になろうかと思っております。それで、今から認知症の方がどういう形で松江市でいらっしゃるかという、現場の報告がありましたので、その事例をちょっと紹介したいと思います。
 松江市のある地域に住む認知症Aさんの事例です。日中、自宅から外出し、帰り道がわからなくなったAさん、幸いにして交番で保護されました。交番では、まず近隣の民生児童委員に連絡をします。しかし、民生児童委員はAさんの情報を把握していないという話。したがって、次に連絡をするという体制になっていた地域包括支援センターに連絡をしました。しかし、ここでもAさんの情報を得ることができないということで、その交番ではAさんを保護したまま、近親者の連絡を待ち続けて、大分たってから無事に連絡がとれたという話があります。
 また、このようなケースとは別に、徘回の上、発見できず、残念ながらお亡くなりになったケースもあるということでございます。
 このような認知症の方が徘回をされることに対する状況を松江市としてきちんと把握していらっしゃいますでしょうかお伺いをしたいと思います。

◎健康福祉部長(田中豊) 認知症の徘回の方については、件数も含めて個別のケースについては市としては把握ができておりません。ただし、市にいろんな関係の機関から連絡がありました場合には、現場に出向きまして家族の方と相談をしたり、あるいは関係機関に捜索をお願いしたりいたしまして、担当課あるいは包括支援センターも一緒になって実際に捜索を行ったりした個別の事例もございまして、そのような個別の対応はいたしているところでございます。

◆1番(岩本雅之) 最初の質問にちょっと戻るようなことになろうかと思いますけれども、そういった意味も含めまして、やはり地域包括支援センターの役割はすごく重要であるし、いろんなさまざまなことをやっていかなきゃいけないということとあわせて、やっぱり地域にAという事業所があれば、その認知症の方がその事業所をもしかしたら利用しているかもしれない。そういうことを考えたときに、交番のほうからわかれば、地域の事業所にもしかして問いかければ、いろんなことがその人の情報が得られたりすることがもしかしたらあるかもしれないということで、そういったことを考えて、軽度の認知障がいの方を含め全ての人に対応するのは難しいと思いますけれども、現在の見守りネットワークの強化と、やっぱり地域でのニーズ発見、それから課題解決のために本来、地域住民とのかかわりが強い地域のかかりつけの病院とか、それから社会福祉法人、それから公民館とかとの緊密な連絡網を構築していただきたいと、今もう既にそういうぐあいにやっていらっしゃると思いますが、さらにはっきりと打ち出していただきたいなと思います。考えをお伺いいたします。

◎健康福祉部長(田中豊) 認知症見守りネットワークは、認知症高齢者の方を登録いたしまして、その方が徘回されたときに、協力者として登録された方の携帯電話に徘回をされる方の情報をメール配信する制度でございます。現在の登録者数は、認知症高齢者、見守りが必要な方ですが、73人、協力者の方の登録が384人となっております。
 通報件数の実績でございますが、平成23年度6件、平成24年度2件、平成25年度は1件という状況になっております。
 こうした中で、残念ながら発見できずにお亡くなりになったケースは、平成24年度の1件という状況でございます。
 やはり認知症になっても安心して暮らしていけるように、見守りが必要な方の登録をこれからも勧めますとともに、協力者をふやして、より早く発見に至るように、このネットワークの充実をしていかなければならないと考えております。
 現在、市では独居の高齢の方、それから障がい者の皆さんで要援護者の方が住みなれた地域でいつまでも安心して暮らしていただけるように、いわゆる共助の考え方で、地域コミュニティーを活用した平常時、災害時の支援体制を構築することを目的として、各地区で要援護者支援会議を設けていただいて、体制の構築を図っているところでございます。
 8月末現在で48地域、組織、世帯数で申し上げますと、1万226世帯で組織化がされておりまして、さらなるこれの推進に努めてまいりたいと考えております。
 そういう中で、地域住民とのかかわりが強い、先ほど御指摘のありました病院、あるいは社会福祉法人、そうしたところにも御参加をいただきまして、より強固な地域ネットワーク化が図られるように努めてまいります。以上です。


平成25年12月1日発行 まつえ市議会だより第17号(9月定例会・10月臨時会)
201309teirei